ラベル 3ツ星 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 3ツ星 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

ゲンスブールと女たち


監督:ジョアン・スファール
キャスト:エリック・エルモスニーノ/ルーシー・ゴードン/レティシア・カスタ

あらすじ:バルドー、バーキン、ピアフ、ドヌーヴ、フランス・ギャル、ジュリエット・グレコ…美しい女たちと音楽に愛された天才セルジュ・ゲンスブール。その華麗にして破天荒な生涯。“ユダヤ人で醜男"というコンプレックスを抱えながら、数多の美女たちを虜にしたプレイボーイ。そして、酒とタバコをこよなく愛し、今なお語り継がれる名曲の数々を生み出した稀代の天才アーティストのセンセーショナルな生涯を、人気BD作家J・スファールが斬新なアプローチで描き出す、音楽と情熱の物語。

評価 ★★★☆☆

ラストタンゴ・イン・パリ


監督:ベルナルド・ベルトルッチ
キャスト:マーロン・ブランド、マリア・シュナイダー、ジャン=ピエール・レオー、マッシモ・ジロッティ
1972年 イタリア、フランス

あらすじ:冬のパリ。中年男のポールは、アパートの空き部屋で偶然出会った若い娘ジャンヌをいきなり犯す。だが2 人は何事もなかったかのように別れる。ジャンヌには婚約者がいた。一方、ポールは妻が自殺したばかりで人生に絶望していた。2人はその後もアパートの空き部屋で会い続け、互いの肉体におぼれていく・・・。

評価 ★★★☆☆


 エロ過ぎてイタリアじゃポルノ認定され公開が中止されたとか。でも、今見てみるとあんまりエロくない。直接的なエロスを描いた場面なんてほとんどない。もっとこう、腰振ったり、アンアン喘いだりってのを見る前は想像してたんだけどねぇ。

 アナルセックスの描写なんかもあるが、これはエロとして描いたわけではなく屈折した男性の精神性と、抗いきれない女性の弱さを象徴させているようで純粋なエロではない。女優の全裸体も頻繁に写されるけれども別に恥じらいがあるわけでもなく堂々としているんでエロさは感じない。
 どうしてこんな映画がポルノ認定されたんだろう?

アナルセックス

 アナルセックスはキリスト教の人にとっては子供の出来ない性行為として、それなりに許容されていると聞いたことがある。だから洋物AVではアナルセックスが多い、と。
 ホントならこの映画のアナルセックスの描写に過度に反応するとは思えないが、どうなんだろう。

 しかしまあ、この映画のオリジナル版は200分だそうで日本で発売されているのは120分バージョン。カットされている八十分に過激な描写があるのかもしれない。そっちを見てみたいけど、200分も時間を割いてまで見ようと思うほどの映画ではないかも。

 監督の親父さん、アッテリオ・ベルトルッチは有名な詩人だそうだ。その血を引いてるのがよく分かる。詩的な映像が満載。
ラストタンゴ・イン・パリ
暗示的なオープニングのイラスト


浮き輪
沈んでいく浮き輪



ふたりの独特の距離感


 思わせぶりで深読みすれば何か意味があるように思える、暗示的な映像。たぶん歓声だけで映像撮っててあんまり意味はないと思うけど。

 登場人物は一癖も二癖もある。どの人物もどこか謎めいていて何考えているかよく分からない。主人公の女。あんな四六時中カメラを回させて映画を撮る男のどこが良いんやら。あっさり別れちまえ、と思うんだけど、女の方は明らかにマーロン・ブランドのさえないおっさんに心惹かれても男と別れようとしない。
 マーロンのおっさんはおっさんで、アパートの中では名前すらも話さない聞かないで、思いっきり現実逃避している。ふたりの関係はこのアパートの中だけ、と。現実の辛い出来事を忘れるための官能で耽美な夢のような場所がアパートだったわけだ。
 ただし、マーロンはラストで、主人公の女を追いかけて自宅まで入っていく。現実逃避であったはずのふたりの関係が現実世界にまで入り込んでしまった。
 対する女はマーロンを撃ち殺してこんな男は名前も知りません、と呟く。明らかにマーロンを現実逃避の世界の人間としてみなそうとしている。
 アパートの中で名前を話したり聞くのを嫌がったマーロンと、逆に何でも聞こうとした女との関係がここで逆転している。

 マーロンは何も聞きたくないふりをして強がってはいたが、本当は女のことを全て知りたかったし自分のことを全て話したかったのだろう。正直に自分の思いを打ち明けることができないのは妻の遺体を前に泣き崩れたマーロンの様子を見れば良くわかる。
 女の方はアパートの中で何度も自分のことを話しマーロンのことを聞いた。
 マーロンからしてみると、自分を受け入れてくれる女性だと思ったのだが、結局アパートの中だけの付き合いだと割り切っていたのは女の方だったというオチ。


女を追いかけるマーロン



 良くできてる映画なんだけど、やっぱりエロが物足りない・・・。

アイス・エイジ


監督:クリス・ウェッジ
キャスト:レイ・ロマノ、ジョン・レグイザモ、デニス・リアリー
2002年 アメリカ

あらすじ:舞台は氷河期の地球。性格も思惑もまったく異なるマンモス、ナマケモノ、サーベルタイガーの3匹が、人間の赤ちゃんを家族のもとへ届けるための旅を通じて友情を築く。愉快で心温まる冒険の物語。

評価 ★★★☆☆


ディズニー製のCGアニメ。ディズニーらしく、親子愛をテーマにコミカルに氷河期を描いている。不自然なほどに血の描写を避けており、悪役との戦闘でも血は一滴も出さない。子供と大人が揃って安心して見られる映画を目指したんだろうけど、反面、物凄い残酷な描写も多かったりするのだが、それがわざとなのかどうなのかよく分からん。
 例えば、劇中のギャグはナマケモノが担当しているわけだが、ほとんどのギャグが非常に暴力的。ナマケモノの頭を叩いてケラケラと赤ん坊が笑ったり、間欠泉に吹き飛ばされて笑ったり、とナマケモノが痛い目に合わせて笑わせようとしている。間抜けでドジなキャラクターだけど、他に笑いの取りようはあるだろうに。血を描写しないぐらい子供に気を使ってる癖に、どうしてこういうところは無頓着なんだろうか。
 他にもドードー鳥が、一生懸命集めたスイカを主人公達が横取りするが、ドードー達はガケから落ちたり、溶岩(?)の中に落ちたりと、バタバタと死んでいく。笑えねえよ。
 そもそも、あのスイカはドードー鳥の物だ。それを腹を空かした子供がいるから、という大義名分を掲げれば全てが許されるのか。自分を正当化して他者を悪者扱いするところはアメリカ人の悪い部分だ。
 ドードーといい、ナマケモノといい、ちょっと頭の悪い奴には何しても笑い事で済まされるという非常にタチの悪い映画なのだが、血を絶対に描写しないというチグハグぶり。残酷にしたいのか残酷にしたくないのか。
 ストーリーでは、親と子の関係を描いているわけだが、サーベルタイガーもマンモスも子供が人間に殺されている。両者は復讐を考えるか、考えないかの違いでしかないのに一方的にサーベルタイガーが悪者となっている。一番悪いのは人間じゃねぇの?
 しかし、この人間。子供を失ってもサーベルタイガーのように復讐をしようともしないし、マンモスのように群れとはぐれてひとり北へ向かって子供を捜そうとしたりはしない。何もせずに仲間と一緒に他の村へ向かっていたら運良くマンモスが子供を連れてきてくれてハッピーエンド。一番悪いはずの人間が、一番何もせずに、一番良い思いをしてるってどうなのよ。

 それに主人公のマンモス。もっと性格をどうにかしてくれ。序盤ではヒョウが降ってるというのにナマケモノを家の中へ入れさせようとしないし(シュレックに似たようなシーンあったな)子供を発見した時は放置して先へ進もうとしたし、ツンデレっぽい性格ならきちんとデレの部分を見せてくれなきゃ感情移入なんかできやしない。単なる無愛想な奴としか思えなかった。

 まあ色々、アメリカ人の独善的な部分が垣間見える映画ではあるけれど、何も考えなければそれなりに楽しめる映画。こういう氷漬けの宇宙船のセンスなんかも大好き。
宇宙船


静かな生活


監督 伊丹十三
キャスト 山崎努、柴田美穂子、渡部篤郎、佐伯日菜子、大森嘉之、宮本信子
1995年 日本

あらすじ 脳に障害を持つ兄と彼を一生支えようと決心している妹の波乱万丈の日々を綴った伊丹十三監督作品。兄妹の交流を通して人間の生きる力とそれを支える愛情を描く。

評価 ★★★☆☆

 映画全体に漂う作り物感はなんだろう。渡部篤郎の障害者演技然り、母親の不自然な関西弁のイントネーション。佐伯日菜子の不自然な敬語。全ての登場人物のどこか、文学的な台詞回し。佐伯日菜子の自宅も作り物感がプンプン。
 もともと伊丹十三って監督はニヒリズムで現実を斜めから見ているような感覚があるとは思っているが、この映画はその監督の思想を色濃く表してるんじゃないだろうか。

 他人のために命を捨てるような人間はいない。
 作中作の小説の言葉であるが、障害者の渡部篤郎は、妹のために体を張って助けるわけだ。落ちこぼれ、と罵られるような障害者が最も人間らしくない行動を取ったということになる。
 これは人間を愚かな動物として捉え、落ちこぼれと罵られる、一般社会から一種隔離されているような障害者のほうが人間らしくは無いが動物としては優れているということを表現している。こうした伊丹十三の厭世的な思想を表している・・・のかなぁ。

 しかしまぁ、難しいテーマを上手くエンターテイメントとしてまとめ上げたのはさすがだと思う。
 序盤から、障害者と性犯罪をテーマにしようとしている。父親が、障害者の息子が勃起しているのを見てトイレへ連れて行くわけだが、これってトイレで射精させるわけだよな。障害者と性の問題は、色々あるわけだが生々しい描き方だ。だけども、それを深刻ぶらずユーモラスに描いて見せている。

 性犯罪者が近所に現れたと知ると、真っ先に自分の兄を疑ってしまう佐伯日菜子の心情も哀れ。以後の献身的な兄へ対する世話も、兄をすこしでも疑ってしまった贖罪の意味もあるのだろうな。

 ラストのレイプシーン、佐伯日菜子のパンツを見せる所なんかも相変わらず伊丹十三のエロさ炸裂。

 で、この映画最大の見所はなんといっても下水掃除。あれほど見応えのある下水掃除は他にはないだろう。

百万円と苦虫女


監督 タナダユキ
キャスト 蒼井優、森山未來、ピエール瀧、佐々木すみ江、嶋田久作
2008年 日本

あらすじ ひょんなことから前科持ちになってしまった鈴子が、バイトで100万を貯めて実家を出る。いろんな場所を訪れては100万を貯め、次の土地へと旅立つが……。

評価 ★★★☆☆

 陰気でウジウジした女が主人公。この女、変。犯罪起こしそうなぐらい変(実際に起こしたが)
 だいたい、仔猫を捨てられたぐらいで同居人の荷物を全部捨てるってはっきりいって異常だ。血がのぼって発作的にやったのなら分かるけど、ネコを捨てられたのが判明した時には同居人は部屋にいたから、荷物を捨てたのは少なくとも数時間後、もしくは次の日ってことになる。いくら腹が立っても時間が経てば、あんまり過激な行動はしないでしょうよ。
 なのに、この女は、荷物を全部捨てる。相当な量があったから、結構な力仕事だったはずだがそれでも全部やり遂げた。自分なら、途中で嫌になって何やってんだろ、とか思うな。
 単なる怒りっぽいだけじゃなく、腹の底に怒りを溜めておいて、しかるべき時に爆発させる、しかも妥協はしないという、大きな犯罪を犯しそうな人間だ。
 元クラスメイトと出会ったときも、前科持ちをからかわれてクソミソに侮辱されるが、かんしゃく起こして暴力を振るう。そりゃあ気持ちは分かる。だけど、小学生ならともかく、20歳を越えたいい大人が、悪口に対して暴力を振るうのはいかんでしょ。手をあげた方が負けだよ。
 だけど弟に対して、恥ずかしいことをしていないと、しれっと自己弁護。あこは適当に聞き流すのが、恥ずかしくない行動で、暴力を使っちゃうのは恥ずかしい行動だと思うんだけどなぁ。
 このへん、自分は絶対的に正しくて、他人はバカだと思い込む、典型的なネクラ人間の思考。

 怒りを爆発させるとき以外は、自主的に動くということをほとんどしない。まわりに流されるだけ。家を出て行こうと決心したきっかけだって、食事中、家族間で言葉が入り乱れてわけの分からん会話になってかんしゃくを起こして、ついつい口走ってしまっただけのこと。
 アパートを借りるときも、家を出て行ってからの行動も大半が、自分の意志ではなく他人に無理矢理流されてのこと。

 近くにいたら絶対友達になりたくないタイプだったりするけど、映画にすると魅力的に映るのがあらまあ不思議(蒼井優がキレイだからか?)
 細すぎて折れそうな腕をはじめ、弁当の裏にノリが引っ付いてたりと悲壮感をおおいに漂わせ、俺が助けてやらねば、思わせる。朝礼で倒れるタイプの女性でもあるね。

 とまぁ、主人公の女性は非常に魅力的なんだが脚本がいまいち。
 この映画、四編に別れている。実家編、海の家編、桃娘編、ホームセンター編。

 海の家編いらないよ。ラストシーンに象徴されるように、人生そんなにうまくいかないよってのがこの映画のテーマ。自分の意志はちゃんと存在してるんだけど、周囲のせいでそれを伝えることができない。結局、押し切られて後で苦虫を噛み殺したような嫌な表情をしてしまう、という感じ。
 ルームシェアの相手が彼氏持ちでも、それを愛想笑いで済ませるし、桃娘なんかやりたくなくてもそれを強く主張できない(最終的にはかんしゃく起こして主張したけど)、金のために付き合ってる男にも愛想笑いで付き合いを続けなきゃいけない、とあるのだが、海の家編だけはそうした、自分の意志を突き通せない、という部分がほとんどない。
 アプローチをかけてくる男から、逃げるようにして去っていっただけ。この海の家編だけ浮いている。無くてもよかった。いや無いほうがよかった。
 海の家編では、主人公の男嫌いを描写してる。いくら男が言い寄ってきても、絶対に心を開かないし、敬語を使い続ける。男性不信であると説明しているようなもの。
 なのに、ホームセンター編で男から告白されてあっさり自分も好きだと、返す。で、その足で男の家へ行きベッドイン。海の家編の男性不信はどこいった?
 序盤のルームメイトの荷物捨てたときに、セックスしてたら民事事件になると聞かされると、ヤッときゃよかった、と呟くぐらいだから意外に性に奔放なのかもしれない。

 弟からの手紙に涙するのも首を傾げた。ありゃあエピソードの順番間違えてる。弟はいじめられてたのに逃げずに、戦うことを選択した。
 一方、女のほうは男が金目当ての付き合いだと気付いているのに、言い出すことができない逃げるばかりである。それで自分の不甲斐なさに、涙した、と解釈したいんだけど、手紙が来る以前に別れ話を持ち出してるんだよなぁ。
 じゃあ、あの涙はなんなのっと。弟が立派になって泣いたわけでも無いだろうし・・・。

 ラストシーンは見事。映画全体の人生そんなに上手くいかないんだよ、というテーマを完璧に表現してる。彼氏が、旅立ちを止めに来てくれると考える女だけど、そう思い通りはいかない。来るわけないか、と呟く女の表情にはすがすがしさを見て感じ取れる。うまくいかないのが人生だ、と言うような表情。序盤の陰気でネクラな女の印象とは180度変わっている。様々な場所を旅して、色んな人間と出会ったことにより大きく成長したのだと窺わせる演技だ。この主人公の女、これ以降苦虫を噛み殺したような表情はしないようになったのではないだろうか。

レミーのおいしいレストラン


監督 ブラッド・バード、ヤン・ピンカヴァ
キャスト  パットン・オズワルト、ルー・ロマーノ、ジャニーン・ガラファロー、イアン・ホルム
2007年 アメリカ

あらすじ フランスの片田舎。ネズミのレミーは天才的な嗅覚と味覚を持ち、いつの日か一流のシェフになることを夢見ていた・・・。

評価 ★★★☆☆

 ネズミという不潔の代名詞的な存在に料理を作らせるなんていう発想の転換(?)は面白い。別に犬でもネコでもよかったのにあえてネズミを使うという冒険心にはしびれる。
 何故か、ネズミのキャラクターは色んなところで大活躍してるので(ディズニーのアイツやネコと追いかけっこしてる奴とか、任天堂の黄色いのとか)子供向けのアニメとしては無難な選択なのかもしれないが。

 映像面は相変わらず素晴らしい。水の質感や、ネズミ視点の走り回るシーンなどまさに目を見張る出来映え。砂漠地帯を描いた前作カーズとは、180度違うヨーロッパのレストランが舞台になっているのに、これだけクオリティの高い映像を作れるとはさすが。
 しかし、レミーがかわいくない。まぁ、きらわれものでなければならないから、あえてデフォルメをしなかったんだろうけど、ネズミの密集シーンは苦手な人にはちょっときついんじゃないだろうか。

 あと気になったのがラストシーン、ハッピーエンドにしてあるけどネズミの寿命は五年も無い。レミーが死んだあとどうすんだろ。

 声優もいまいち。主人公の吹き替え役の佐藤隆太。ひとりだけ素人臭がプンプン。そのせいか主人公の弱々しい性格が一段と強調されてる感じ(狙い通りか?)。ピクサーアニメは、声優の経験がない有名人を起用することはほとんどなかったのに、何故本作はそういうことをしちゃったんだろうか。ちょっと残念。

 料理界の評論家を皮肉するような内容は(暗に映画界も皮肉ってる?)ピクサーらしく、こうした小ネタが単なる子供映画ではなく、大人が見ても楽しめるようになっている。

ミラクル7号


監督 チャウ・シンチー
キャスト チャウ・シンチー、シュー・チャオ、キティ・チャン、リー・ションチン
2008年 香港

あらすじ 超貧乏なティーとディッキー親子。だが、ゴミ捨て場で謎の物体“ミラクル7号”を拾うと、彼らの暮らしに変化が訪れた。そしてピンチが迫ることに……。

評価 ★★★☆☆

 ナナちゃんかわええ~。犬とのタイマンシーンなんか鳥肌が立った(結局負けたけど)。ペッチャンコになったり、便器と戦ったり、やることがなすことがコミカルだし、細かい仕草ひとつとっても母性愛をくすぐられるようなかわいさ。
 
 ストーリーはいわゆるドラえもん物。できの悪い子供のもとにワケの分からん生物がやってくる。ただ、役に立つわけではなく迷惑にしかならないという点では、四次元ポケットを持ってるドラえもんというより、タダ飯ぐらいのオバケのQ太郎に近いかも。

 この映画、親子で見るのを推奨されるような王道的な良い話なんだけど、全体的に残酷。子供の貧乏さや、同級生の相撲取りみたいな女の子といい、コミカルに差別を描いてる。素手でゴキブリぶっ潰しても、女の子が色目使ってきて主人公が嫌な顔するのも、描写のおかげで笑いになってるけど、冷静に考えるとちょっと非道い。

 で、この映画の最も残酷なところは父親が死ぬとこだろう。ナナちゃんの自己犠牲ぶりを見せる必要があったから父親が死ぬのは分かるけど、死に方がちょっと残酷。助かりそうで助からないところや。父親が落ちてからの現場主任の反応。いちいち残酷的。コメディはそういう残酷的なところがあるのは分かるけど子供も一緒に見るような映画でちょっときついんじゃないかなぁ。

 ラストの大量のナナちゃん。カワイイけど不気味だよありゃあ。

プロジェクトBB


監督 ベニー・チャン
キャスト ジャッキー・チェン、ユン・ピョウ、マイケル・ホイ、ルイス・クー、
2006年 香港

あらすじ 大富豪一家の赤ん坊を誘拐するという危険な仕事に手を出してしまった3人組の泥棒チーム。1人が捕まり、残された2人は赤ちゃんの世話をすることになって……。

評価 ★★★☆☆

 見終わって思ったこと。「ジャッキーも年とったな~」
 アクションの動きが明らかに遅い。全盛期のころならもっとびっくりするぐらいキレの在る動きを見せてくれたのに・・・。まあジャッキーも50を越えてるんでしょうがないといえばしょうがないんだがやっぱり寂しい。
 アクション以外の部分でもいまいち見所がない。子供の世話なんてしたことのない男が、ひょんなことから赤ん坊を忙しなくてはならなくなりドタバタ、なんていままでにいくらでもある題材で目新しさはない。
 ジャッキーならでは、のアクションも見られないわ、ストーリーも手垢がついたようなものだわ、これといった売りの無い映画。
 ジャッキー・チェンとマイケル・ホイの共演なんて、見る前には質の高いアクションに、ぶっ飛んだコメディを期待してしまうだけに期待はずれの感が強かった。

 アパートの一室での一連の流れはさすがだなぁと思ったが、それぐらいかな。他には、特に見所は無し。香港映画らしい映画ではあるが、突き抜けた部分はまるでない、標準的な作品でしかない。

スラップ・ショット


監督 ジョージ・ロイ・ヒル
キャスト ポール・ニューマン、マイケル・オントキーン、ジェニファー・ウォーレンス、トローザー・マーティン、リンゼイ・クローズ
1977年 アメリカ

あらすじ リーグ最下位のアイス・ホッケー・チームに3兄弟が入り、ラフ・プレイ専門の人気チームに大変身!

評価 ★★★☆☆

 アイスホッケーは氷上の格闘技って呼ばれてるからってやりすぎじゃないのかとハラハラしちゃう。というかあれだけ暴力使っても出場停止にならないものなのかねぇ。

 非常に、潔い映画。ポール・ニューマンはチームの存続のためにはなりふり構わない。ラフプレイが多ければ試合に勝てるしファンが増えると分かれば、それに徹する。ラジオで挑発行為すらする始末。
 が、オーナーがそうした暴力的なアイスホッケーを毛嫌いしているのを知ると、こりゃまたあっさりとフェアプレイに徹する。が、荒っぽいチームスタイルを好いてくれてチーム毎買いたいという人が現れると、またまたあっさりとラフプレーに徹する。
 スポ根なんかクソ喰らえって映画だ。
 スポーツ物の映画は数多くあるが、これほど主人公がエゴ丸出しなのはこの映画ぐらいなのではないだろうか。
 主人公、ポール・ニューマンがチームを存続させたいと思っているのも単に好きな女性と結ばれたいためでしかないし、別にチームに愛着があるわけでもないし、ファンなんかもどうでもいいわけだ。スポーツ映画らしくないスポーツ映画で逆に新鮮で面白い。

 チームメイトもきちんとキャラ立ちしている。25セントのために自動販売機をたたきつぶそうとするハンセン三兄弟や、テレビで女性は汚いと悪態を吐きながら歯の根の乾かないうちに女性を口説きたがるような話をするハゲ。ストーリーには深く絡まないが、みんな良い性格をしている。

 ラストの試合シーンなんかは、ああ、フェアプレイに徹して試合に負けて勝負に勝つというような爽やかな終わりかたしてオーナーがそれに感動して存続が決定、なんてありきたりの展開を想像してたが見事に裏切られた。
 結局ドロドロの暴力試合がはじまって収集がつかなくなりそうになるも、ストリップでそれを収めるという意味が分からないような展開。この時、相手チームの選手が神聖なリンクを汚すな、退場させろと審判を殴るわけだが、このへん暴力的なアイスホッケーを好むファンに対する皮肉にでもなっているのかもしれない。たぶんなってないんだろうけど。

 下品だけど、こういう映画がないと世の中面白くない。だけど野郎のケツがバスの窓からコンニチハしてるようなのはあまり見たくない。


シュレック


監督 アンドリュー・アダムソン、ヴィッキー・ジェンソン
キャスト マイク・マイヤース、キャメロン・ディアス、エディ・マーフィー、ジョン・リスゴー
2001年 アメリカ

あらすじ 人里離れた沼に暮らす怪物シュレックが活躍するハートウォーミングなアニメーション。新設されたばかりのアカデミー賞長編アニメーション作品賞受賞作。

評価 ★★★☆☆

 ことごとくおとぎ話の王道の逆を行く話。
 魔女の呪いをかけられたお姫様。助けるのは白馬の王子様……、ではなく不細工なモンスター。眠っているお姫様をキスで起こすなんて事はせず、ただ揺すり起こすだけ。そもそも、お姫様はおてんばだし、王子様はチビで微塵も格好良くない。モンスターが姫を助ける理由も単に自分の住みかを守るためという自分勝手なもの。
 アンチおとぎ話的なストーリーで徹底されており、非常にユーモラスである。
 しかし、ラストシーンはいただけない。
 これがもし、おとぎ話なら姫の呪いが解けて美人になりシュレックも実は呪いをかけられてましたってことで美男子になって、王子は悪事がばれて追放。シュレックが王子に成り上がり姫様と結婚、なんてことになるんだろうが、本作では、姫様もシュレックも不細工のまま結婚して二人が幸せならそれでいいや、めでたしめでたし、となっている。
 これは、美男子同士が結婚してめでたしめでたし、というのと本質的には変わらない。結局外見が最も重要なファクターとして扱われていることになるのだ。
 アンチおとぎ話ならば外見よりも中身が大事ってことで美人と不細工同士の結婚にするべきではなかったかと思う。

 浜ちゃんの関西弁は、最初は違和感があったが慣れるにしたがってシュレックにぴったりのように聞こえてくるのがあら不思議。

コーンヘッズ


監督 スティーブ・バロン
キャスト ダン・エイクロイド、ジェーン・カーティン、ミシェル・バーク、マイケル・マッキーン
1993年 アメリカ

あらすじ ある夜、とんがり頭の宇宙人夫婦が地球に到着した。本当は地球征服の偵察が目的であったのだが、すっかり地球を気に入ってしまい、アメリカ合衆国の移民として定住、娘も生まれる・・・。

評価 ★★★☆☆

 タイトル通り、コーン型の頭をした一家が地球へやってくるというSFのような話。だけど、ほとんどSFしていない。娘が普通に学校生活を楽しんで普通に恋をして、親はそれに普通に戸惑う……、というようなジャンルとしてはホームコメディに近い。一応ラストはSFしているが、とってつけたようなもん。
 コーン頭の一家を周囲が普通に受け入れているというのもシュールで面白い。しゃべり方なんかも一風変わっててクスリとさせられる。
 テンポも良くラストシーンも良い意味で期待を裏切らない。単純に笑い、楽しめる良作。

バーティカル・リミット


監督 マーティン・キャンベル
キャスト クリス・オドネル、ビルパクストン、ロビン・タニー、スコット・グレン
2000年 アメリカ

あらすじ クレバスに閉じ込められた妹を救うため、世界最高峰の“K2”に生命を賭けて挑む兄の姿を描く。

評価 ★★★☆☆

 バーティカル・リミットとは、人間が到達できる標高限界のこと……だそうだが、そんな限界地点で飛び跳ねたりするのはどうかと思う。ニトログリセリンをつかうところもオイオイと突っ込みたくなる。
 それでも、それなりにアクションしてハラハラするし、遭難した方は密室劇でそれなりに楽しませてくれる。
 ラストも助かった人間よりも、救助に行って死んだ人間の数が多いわけだが、そんなこと一切無関係とばかりに兄弟愛を確認し合ったりするが、まあそんな事はどうでもいい。
 ストーリーなんか気にせず、小難しいことを考えずにそれなりに楽しめた。

ドラキュリア


監督 パトリック・ルシエ
キャスト クリストファー・プラマー、ジョニー・リー・ミラー、ジャスティン・ワデル、ジェラード・バトラー
2000年 アメリカ

あらすじ 高度なセキュリティ・システムに守られた古い棺桶が、ロンドンの博物館の金庫から盗み出された。中に眠っていたのは、100年前に捕えられた吸血鬼・ドラキュリアだった。蓋が開かれ現代に蘇ったドラキュリアは、次々と人間を襲う……。

評価 ★★★☆☆

 ドラキュラものはちまたに溢れてるんで、普通の作品を作っちゃうと歯牙にもかけられない。この作品の場合は、ドラキュラの解釈が非常に新しいわけだが、別に驚くほどのもんでもない(キリスト教徒ならびっくりするのかな?)

 ラストの十字架と交わるシーンも、なるほどなぁとは思うがなんか十字架がきちゃない。描きたいことはわかるんだけどもうちょっとうまくできないかなぁという感じ。

 が、映像面では個人的にツボに入った。序盤の飛行機と女性の一室がつながるシーンだとか、CDショップに幻想のようにドラキュラが現れるシーン。そのあたりは見事、の一言。鳥肌が立った。他にも、ベッドシーンやアパートが長い廊下となり、赤いカーテンがヒラヒラ……、というシーンも素晴らしいが、やややり過ぎ感もあったりする。

 テンポの良いストーリーに美しい映像面でなかなか楽しめた映画だった。しかし世紀末がテーマになってる映画をいまさら見ても、と思わないでもない。

あげまん


監督 伊丹十三
キャスト 宮本信子、津川雅彦、大滝秀治、高瀬春菜、北村和夫
1990 日本

あらすじ 男にツキをもたらす女“あげまん”のナヨコと、彼女を取り巻く男たちの様子を描いた作品。

評価 ★★★☆☆

 伊丹十三作品は、非常に良質なエンターテイメントであるわけだが家族と一緒に見るのは辛い。なぜなら必ずと言っていいほどねちっこいベッドシーンや女性の半裸体が写されて、気まずい思いをしなければならないからだ。
 その点この作品はタイトルからして家族と見ようという気にならないので安心(なのか?)
 監督曰くタイトルの意味を「間があがる」と説明してたが間違いなく嘘。アレの事に間違いない。それを堂々と使ってしまう伊丹なりのユーモアなのだろう。

 本作は、宮本信子の演技でもっているようなもの。男勝りで勝ち気でありながら、もろい所を見せる女性らしさを兼ね備えている、マルサの女などのようにただ強いだけではないのが、本作に深みを与えている。
 ストーリーは少々、甘ったるい感じ。政治家や坊さんが出てきて、ドロドロの愛憎関係が書かれるかと思いきや、清々しい終わりかただった。