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6時間後に君は死ぬ


監督:小中和哉、高野和明
キャスト:塚本高史、真木よう子、沢村一樹、田中卓志

あらすじ:自称・予言者の青年から“6時間後に死ぬ”と告げられた女性が、死の恐怖に立ち向かいながら謎に迫るカウントダウン・サスペンス。

評価 ★★☆☆☆

 「13階段」で江戸川乱歩賞を受賞した高野和明作品のドラマ化。「6時間後に君は死ぬ」「3時間後に僕は死ぬ」のふたつの短編作。前者は小中和哉が、後者は原作者の高野和明が監督している。

 元々がWOWOWで放送されたドラマということで、小粒な作りとなっている。一時間ドラマが二本。どちらも軽い作品。
 ミステリとしては無難。「6時間後に君は死ぬ」は未来を見ることのできる主人公が、ヒロインの死を見て、それを回避するために行動を起こす、というものだけど意外性が無い。こいつが犯人だろうなぁ、と思ってたらまさにその通りになった。ミステリならもひとつどんでん返しが欲しかった。伏線もいまいちはれてなかったし。序盤のミステリアスな雰囲気は良かったんだけどなぁ。

「3時間後に君は死ぬ」もいまいち。犯人捜しがメインのミステリだけど、あんなオチではなぁ。というかミステリになってない。恋愛の絡んだサスペンスとして見るべきかもしれないけど、サスペンスとしても緊張感が弱い。
 ヒロインは犯人捜しばっかりして仕事してないけど、怒られないのかね。警察は内部事情をペラペラと外部の人間に話しちゃうし。まあそれでも、展開はそれなりに面白いし、主人公とヒロインの微妙な心情なんかも上手くかけててグッときたんだけど、オチさえもうちょっとなんとかしてくれてたらなぁ・・・。

 あと真木よう子のセリフが非常に聞き取りにくかった。滑舌悪いよ。

蛇男 THE SNAKE


監督:エリック・バルビエ
キャスト:イヴァン・アタル、クロヴィス・コルニアック、オルガ・キュリレンコ、ピエール・リシャール、サイモン・アブカリアン
2006年 フランス

あらすじ:フォトグラファーのヴァンサンは妻と離婚協議中。そのヴァンサンを鋭い眼光で睨みつける黒い影、プレンデール。プレンデールは謎の女ソフィアをモデルとしてヴァンサンの事務所に送りこみ、彼を誘惑させる。そしてプレンデールは彼女を仕組んで殺し、ヴァンサンを殺人犯に仕立てあげる。無実を証明するために逃亡し、弁護士を立て反撃に出るが、プレンデールは裏をかき、蛇の如くじっくりと獲物を追いつめ、締めつけていく─。

評価 ★★★★☆

 タイトルはもうちょっとなんとかできなかったんだろうか。「蛇男」て。江戸川乱歩の小説か楳図かずおの漫画にでもありそうなタイトル。
 どう考えてもB級ホラーを連想してしまう。中身は上質なサスペンス映画なんだけど、タイトルで損してるよ。とかいいながらオイラはB級映画かと思って興味を持ったんだけどね。そこら中にある原題通りのカタカナ英語のタイトルよりも好感は持てちゃったりはする。

 内容はフランスの二大スター(?)が共演したクライムサスペンス。さすが、どっちも貫禄のある演技で見応え充分。
 主人公のイヴァン・アタルのほうは雰囲気がジャン・レノに似てる。眠たそうな目してるのも一緒だし。
 ヒロインはエロイ姿を見せてくれるけど、すぐに死んじゃうのが難。

イヴァン・アタル
クロヴィス・コルニアック


 英国人作家デッド・ルイスの「PLENDER」の映画化。ヒット小説なわけでストーリーは非常に良くできている。序盤の展開なんて神がかってる。仕掛けられて罠に落ちていく主人公。見ている側はそれが罠だと分かっているけど、主人公はそんなの分からない。思わず逃げて、と叫びたくなるようなハラハラドキドキ感。適度に意外性のある出来事を挟んで、先の展開が気になって目が離せなくなる。

 犯人の私立探偵。こいつが主人公の自宅で、中学校時代のイタズラを妻の前で笑い話にするシーンは圧巻。後の伏線にもなってるし、内包された狂気が画面の中からヒシヒシと伝わってくる。憎悪を腹の底に溜めて表面では笑っている。怖い怖い。

 で、この犯人の動機が中学校時代のイタズラが原因と分かっちゃってからちょっと盛り下がる。だって主人公に感情移入できなくなるから。自業自得じゃん、と思ってしまう部分もある(だからってこんな復讐はやりすぎだけどね)

 警察に捕まって、窓をたたき割って逃げ出す主人公。普通、取調室の窓って割れないようにしてあるもんじゃないのかね。まあどうでもいいが。
 この逃亡シーンも迫力があった。社会科見学の子供たち、こんなのに巻き込まれて災難。いや、逆にいい見学になったのかな?

 で、主人公は反撃に転じる。犯人の母親の遺体を盗んじまう。この時、主人公は犯人に遺体を返して欲しかったら金よこせ、と電話するが、犯人の対応が格好良かった。
 電話をスッと主人公の息子に代わり、声を聞かせてから「金はやれん」
 息子の命が惜しけりゃ遺体を返せっというセリフを省略して見事に説明しているシーン。この映画、こういう感じの映像での説明が非常に上手いんだよね。

 んでまぁ、後はサスペンス映画の王道の展開を行く。ラストもきちんとハッピーエンドで終わる。二時間の長さを感じさせない高密度の映画。
 なわけだけど、良い映画だからこそ細かい部分の不満が見える。
 例えば、警察から逃亡後、弁護士の奥さんにかくまわれるが、主人公との関係をもっと序盤から描いといてもらわないと。主人公だって警察へ通報しない確信がある場所へ逃げなきゃいけないわけで、まともにふたりが顔を合わせたのって弁護士が死んだ後だけだったので少々不自然。
 
 他にはラストの犯人が思わず自分の犯行を口走って録音されるのも、ご都合主義的な流だったし、警察が廃屋を囲んでいるというのもこれまたご都合主義。

 あと解決後の主人公と家族の関係。家族がクーラーボックス(?)の中から救出したとき主人公は息子を一番に抱き上げる。が、娘と嫁には一切かまわない。嫁とは仲違いしてるから良いんだけど、娘のことも心配してやれよ。男親だから息子が可愛いのは分かるけどさぁ・・・。
 で、救急車に乗り込んで何故か、嫁が主人公の手を握って関係修復を示唆。何故? 命がけで家族を守ってくれて見直したってことか? それにしてはこれも都合が良すぎる。
 というか家族の離婚調停はあまり効果的に使われていなかったなぁ・・・。

 細かい部分に不満はあるけれど全体としてみれば非常に良くできている。テンポも良く演出は素晴らしい。オススメの一品。

デサント・オ・ザンファー 地獄に堕ちて


監督:フランシス・ジロー
キャスト: ソフィー・マルソー、クロード・ブラッスール、ベッツィ・ブレア、ジェラール・リナルディ
1986年 フランス

あらすじ:人気作家の妻・ローラは、夫との行為に悦びを見出せず、2人の関係は冷めきっていた。しかし、2人で訪れたバカンス先で夫を殺害してしまったことをきっかけに、ローラの様子が一変する。

評価 ★★☆☆☆

 おフランス産のサスペンス映画。サスペンスといってもストーリー性は薄い。
 社会的地位のある人間が不可抗力で人を殺してしまい、それを目撃され金を恐喝されるという、土曜サスペンス劇場にでもありそうなぐらい平凡なストーリー。
 それでも、鏡の中と外、といった比喩を出してきて深みを持たせようとしたり、様々な細かな設定があったりで独特の芸術的な雰囲気が醸しでている。
 例えば、車の中で煙草に火を付けるとき、マッチのつもりで車に付属している火を付ける奴(名前は何だ?)を外へ放り投げてしまったり、専制君主と揶揄されるような横暴なホテルのオーナーの誕生日のシーンだとかが、映画にアクセントを持たせている。

ソフィー・マルソー
 ↑のカットはお気に入り。何となく秘密めいた瞳に官能を感じさせる姿勢。狂気とエロスの混合を連想させ、彼女の過去の行いの伏線になってる。こういう何気ないワンシーンへのこだわりが所々に見られる。

 といっても、やっぱりストーリーがいまいちでテンポも良くないんで退屈っちゃー退屈。黒人差別や同性愛問題といった社会的な面も取り上げているが中途半端。

 バカンスの雰囲気とソフィー・マルソーの裸を楽しむための映画だろう。

ゲーム


監督 デヴィッド・フィンチャー
キャスト マイケル・ダグラス、ショーン・ペン、デボラ・カーラ・アンガー、ピーター・ドゥナット
1997年 アメリカ

あらすじ “人生が一変するような素晴らしい体験ができる”というゲームの招待状を受け取ったニコラス。謳い文句に誘われ参加したことから巻き込まれる奇妙な事件を描くスリルと謎に満ちたサスペンス。

評価 ★★☆☆☆

 よくこんな脚本で映画作っちゃったなぁというのが見終わった後の感想。
 世にも奇妙な物語の一編にありそうというか、誰かの小説のショートショートにありそうというか、二時間ものの映画らしくない。そりゃあ全編に漂う、デビット・フィンチャーらしい暗さはあるけれど、ワンアイデアのみで一本映画作ちゃうのはさすがに辛い。
 もともと、デビッド・フィンチャーはCMやミュージックビデオ畑の人間だったわけで、映像や演出面を評価されてる監督。だけど、幸か不幸か「セブン」の大ヒットで、あの衝撃的などんでん返しのあるラストシーンを観客は求めちゃうようになって、監督もそれに答えようとしたんじゃないだろうか。その結果、「ゲーム」が生まれたのかもしれない。全部オイラの想像でしかないけどね。
 この後「ファイトクラブ」「パニックルーム」「ゾディアック」と、ストーリー的な驚きよりも、途中のサスペンスや不可思議、人間心理などを主軸にした映画を撮るようになったのも「ゲーム」の失敗でオチありきの映画に本人が限界を感じたように思えるんだけど、どうなんだろうなぁ。

 この映画の中身自体は、それなりに面白い。80分ぐらいの小物だったらもっと評価は高かっただろうけど、二時間も無理矢理もたせましたっつー感じがしてオイラには合わなかった。

ロードキラー


監督 ジョン・ダール
キャスト ポール・ウォーカー、スティーブ・ザーン、リリー・ソビエスキー、テッド・レヴィン
2001年 アメリカ

あらすじ ハイウエイを車で飛ばすルイスとフラー。二人のちょっとした悪ふざけから、トラックの運転手を怒らしてしまい、命を狙われる羽目に……。

評価 ★★★★☆

 スピルバーグの「激突」を思い出してしまう作品。つーか作り手も意識してただろうなと感じさせるシーンもちらほらと。
 使い古された設定に、珍しくもない演出方法。そう書くと駄作のように見えるが、過去作をお手本にして、上手く名作として仕立てあげられている。
 この手の映画は悪者が出てくる序盤が退屈なのだが、この作品は、兄弟の会話が面白く飽きさせない。被害者にとってはまさに許し難い行為だがまわりから見てる分には楽しい、高校生のような悪ふざけも面白かった。(命を狙われて自業自得と思っちゃったりするが)

 役者も良いし(特に兄貴)、脚本もしっかりしてるし(元は小説)特に不満の無い作品。

 ちなみにエンディングは複数作られていて、DVDに収録されている。なるほど、作り手のこだわりが見える感じがした。

交渉人 真下正義


監督 本広克行
キャスト ユースケ・サンタマリア、寺島進、小泉孝太郎、水野真紀
2005年 日本

クリスマス・イブの日、最新鋭の地下鉄車輌が何者かにジャックされた。犯人からの指名により事件解決のため交渉人・真下正義が派遣されることとなる。「踊る大捜査線」のスピンオフ作品

評価 ★★☆☆☆

 良くも悪くもテレビドラマ向きの作品。それなりにサスペンスしてるし、リアリティの無さとかは差し引いて見てもそれなりに楽しめる。いろんな映画のパロディ的なのが盛り込まれているのも映画ファンとしては嬉しい(パトレイバーとか)

 しかし、この手の作品で犯人を明かさないってのは反則だと思ってる。「CUBE」みたいなのは別にして犯人VS捜査陣にしているのだから、犯人が誰か分かりませんでしたというのは「逃げ」としかおもえない。その他の部分がそれなりに面白いだけに、それだけは許せなかった。

アンブレイカブル


監督 M・ナイト・シャマラン
キャスト ブルース・ウィリス、サミュエル・L・ジャクソン
2000年 アメリカ

あらすじ 乗客131人が死亡するという悲惨な列車事故が起きた。たった1人だけ生き残ったデイヴィッドは、かすり傷ひとつ負っていなかった……。

評価 ★☆☆☆☆

 なんだこりゃ?って感じ
 ストーリーはメチャクチャ。俺は風邪ひとつひいたことがない、なんてもっと早く気づけよ。子供も、拳銃で撃とうとするぐらいオヤジが不死身だって信じ込むような年齢でもないだろうよ。そもそも子供がストーリーに絡まってくるわけでもなく、ほとんど蛇足のシーンだ。
 ラストにあっと驚くような真相が明かされるのかなぁと思って我慢してみてたけど、結局、ありきたりなオチでしかなかった。
 アメコミ知ってればもっと驚いたのかもしれないなぁとは思うけど、そんな予備知識がないと驚けないって時点でダメでしょ。
 まあ配給会社が、宣伝のために無理矢理に煽ってハードルが高くなったのも期待はずれの原因のひとつかもしれないけど、それを差し引いてもなんだかなあって作品。

 見所はサミュエル・L・ジャクソンぐらいかなぁ。格好いいからね。