屋敷女


監督 ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
キャスト ベアトリス・ダル、アリソン・パラディ、ナタリー・ルーセル、フランソワーズ・レジス・マルシャソン
2007年 フランス

あらすじ クリスマス・イヴの真夜中、出産を控えた妊婦サラは見知らぬ女の訪問を受ける。女は大きなハサミを振りかざし、サラに襲いかかり……。

評価 ★★★★☆

 後味が悪いなぁ~。良い意味で見たあとにズシンとくる。まあ無駄にハッピーエンドされるよりはこういうののほうが個人的には好きなんだけど。

 大抵のスプラッター映画は殺人鬼が淡々としてて殺人が作業のようになっていたりするが、本作では、殺すことに必死になってるのが面白い。主人公に返り討ちにされて、悔しくてゲシゲシとドア蹴ったり叫んだりする子供じみたところも好き。(猫には八つ当たりしないで欲しかった・・・)

 主人公の女性は妊婦という弱い立場の女性。しかも出産を直前に控えているという、殺そうと思えばすぐに殺せるような人間だが、屋敷女のほうは、主人公を殺してしまっては赤ちゃんを奪うという目的が達せられないので、殺さないように痛めつける必要がある。それが周囲の人間はバタバタと死んでいくのに、何故か主人公だけはなかなか殺されないという理不尽なホラー映画の常道に違和感を持たせないようにしている上手い設定。

 映像面でも、序盤に胎内にいる胎児や、タバコといった細かいところに印象を抱かせておいて、ラストにそれらを効果的に使うというさすがおフランス映画と思えるほど映像の使い方が上手い。

 80分ほどしかない短い映画でやや小さくまとまってしまった感じはあるが、緊張感を途切れさせることなくノンストップですすんでいき飽きさせることは決してない。

 この殺人鬼の屋敷女、設定やらファッションやら好きなんでシリーズ化して欲しいけど・・・無理だろうなぁ。

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