グーグーだって猫である


監督 犬童一心
キャスト 小泉今日子、上野樹里、加瀬亮、大後寿々花、マーティ・フリードマン
2008年 日本

あらすじ 吉祥寺に住む、漫画家の小島麻子。いつものように麻子が愛猫のサバに話しかけると、サバは冷たく動かなくなっていた―。サバを亡くした悲しみがあまりに大きく、麻子は漫画が描けなくなってしまう。そんなとき、出会ったのは一匹の小さなアメリカンショートヘアー。名前は「グーグー」。

評価 ★★☆☆☆

 ネコ可愛い。


 話の筋自体は良くできてる。作中の「8月に生まれる子供」という漫画と、小泉今日子の人生とが同じように描かれてるわけね。
 漫画では、猛スピードで老化が進んで気がついたら徘徊するようにまでなってたけど、そこから子供が成長するように、新しい人生が始まる、となってる。
 小泉今日子も同じように、子供のころから漫画を書き続け気がついたら三十年経って中年になってた。で、ガンになって子供の産めない体となってしまったけど、死んだサバと出会い新しい人生を歩み出す……。
 このストーリーはなかなかよくできてるなぁと思ったけどそれ以外の部分がいまいち。
 マーティーの死神という設定も唐突で意味不明だったし、森三中や楳図かずおのせいで作品が物凄く軽くみえる。
 上野樹里が浮気相手を巻き込んでチアリーディングしてみせるのもわけが分からない。あれほど反目しあってる同士が、協力して事をはこぶまでの話ぐらいきちんと書いて欲しかった。
 ストーカーの男の存在も全く生かされてなかったな。(あのストーカーは動物園の飼育員らしい)

 上野樹里の恋人とのエピソードとか、死神とかを省いてしまって小泉今日子のみに視点をあてて描いたほうがおもしろくなったんじゃなかろうか。
 小泉今日子の子供時代、みんなを幸せにする漫画を書きたい、と言ってたのに、自分は幸せになっていない、というところにグッときただけにもったいない気がした。



 こういう真面目な話してるのに真ん中にオッサンが入ってるというユーモラスなセンスは大好き。

 しかし、ネコがあまり活躍ないのが一番不満だったりする。あとネコが歩く度に入る効果音はどうかと思う。

 ちなみに原作の漫画、こちらは映画と比べものにならないぐらい面白い。少女漫画臭さもそれほど気にならない名作。


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